三味線コラム -No.56- サワリについて。その二

皆さんこんにちは。
サワリについて続きです。

その一でも書きましたが、サワリは三味線の音色にとってとても重要なのですが、扱いが難しい。

私も時々演奏会で生徒さんの三味線をお世話しますが。
『三味線屋さんに三味線をさわってもらうとすごく音が良くなりますね。』とよく言われます。
この場合も皆さんサワリをうまく付けていない事が多いいですね。
ですからサワリをうまく付けてあげるだけで、音が格段に良くなります。あとは、糸を新しくする、駒の位置を適正にするでしょうか。
これだけで、音が凄く変わってきます。

我々日本人はサワリの音を使って、色々な表現をしてきました。例えば雪がシンシンと降る様子や秋の虫の鳴き声等、一の糸が他の二本の糸と違う音色がでる事で、音で表現出来る幅が格段に広がります。

我々の立場から言いますと、サワリを良く付く三味線にすると言うのは常に考えています。三味線のバランスが良いと、サワリもとても付けやすくなります。サワリが付けにくい三味線と言うのもあるんですよね。

家ではお客様に張替えを頼まれる時は極力三味線の棹も一緒に預かるようにしてます。なぜかと言いますと、いくら張替えで皮を良く張っても、三味線 のサワリが悪いと、良い音がしません。そうしますと『あそこで張り替えたけどちっとも良い音がしない。』と言う事になりまして、結局お店の評判を落とす事 になります。ですから、三味線の棹まで預かりまして、音を出してから、お渡しする事にしてます。

よく長唄の方は、サワリの所に、セロハンテープを貼る方がいらっしゃいます。これはその一で書いた東サワリを付けない場合キー音が変わった場合 に、サワリが付かない場合があるのですが、これをセロハンテープを張る事で調節します。あとですね、サワリは三味線のサワリ線の所に微妙にさわって振動す る事で、サワリの音がでるのですが、三味線の棹は堅い木を使っているのですが、それでも、サワリの所だけ削れてしまうんですね。そうなりますと、そこだけ 削れて低くなりますので、いくら調節しても、良いサワリが付かなくなります。それを防ぐ為にもセロハンテープを貼っていると思います。

以上の用にサワリが三味線にとってとても大事だと言う事が分かって頂けると嬉しいです。

三味線をやっている方に、『今の演奏とても良かったよ。サワリもよく効いてたよ。』といってあげると喜びますよ。

storepresident

亀ちゃんより
http://www.e-kameya.com/

アバター画像

亀ちゃん(亀屋邦楽器) について

当店亀屋邦楽器に色々な取材の依頼や修学旅行の学生さんがいらっしゃいます。 その時の取材や訪問の様子を掲載しております。また亀屋が注目する邦楽の話題を提供します。メールで私に演奏会の紹介して頂ければ載せていきたいと思います。(邦楽の演奏会に限ります。)ぜひ覗いてみて下さい。亀屋邦楽器(http://www.e-kameya.com/)
カテゴリー: コラム パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください