三味線コラム -No.124 中古撥ってどこからなの?

みなさんこんばんは。

先日お客様から、”友達が象牙撥を買ったのだけど全く使っていないのだけど、これは新品の撥ですよね。”と言われたのですが、

楽器屋さんの立場ですと、このように全く使っていない撥も中古の撥になります。
”一回買ったものは中古扱いです。”と言う訳だけでもなく、理由があるのです。

私たちが売っている象牙の新しい撥は全体的に大きく厚みも厚くなっていて、
それを私たちがお客様の手に合うように、削って磨いて、実際に皆さんが使える、
撥にしていくのです。(新しい撥を”荒撥”と私たちは言います。)

画像で見てみると、
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一番分かりやすいのは先の厚みですかね。荒撥の厚みではとても弾けません。
撥のしなりも全くないので、これを我々が削って弾ける撥にしていきます。

手元の大きさは手の大きなお客様もいるので、ほとんど削らないこともあります。

ですので、お客さんの手元に渡っているということは、撥先やしなり、手元の形を作ってしまっているので、荒撥とは言えないのです。

特に大事な先のしなりは、一人一人好みが違うので、形ができていると、その撥のしなりでいい人か、もう少ししなりを出していい人にしかその撥は使えません。

最近は長唄ですとしなりを出さない方が好みのお客様が多いいので、なかなか一度お客様に渡った撥を使っていなくても新品扱いという訳にはいかないのです。

以上ご理解いただけると嬉しいです。

亀ちゃんより
http://www.e-kameya.com/

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亀ちゃん(亀屋邦楽器) について

当店亀屋邦楽器に色々な取材の依頼や修学旅行の学生さんがいらっしゃいます。 その時の取材や訪問の様子を掲載しております。また亀屋が注目する邦楽の話題を提供します。メールで私に演奏会の紹介して頂ければ載せていきたいと思います。(邦楽の演奏会に限ります。)ぜひ覗いてみて下さい。亀屋邦楽器(http://www.e-kameya.com/)
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