三味線コラム -No.127 江戸時代の三味線”櫻”には”さわり”がありません。

皆さんこんばんは。

何か世間ではクリスマスイルミネーションが始まっていますね。
和風文化も頑張らねばいけませんね。

さて当店の江戸時代の三味線”櫻”ですが、この櫻にはさわりがありません。

江戸時代の三味線”櫻”
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今の三味線には必ずさわりがありますよね
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ご存知のように三味線の最大の特徴はさわりがあることです。しかし初期の三味線にはさわりがなかったのです。

前回ご紹介した杵屋佐吉先生所有の”野路”にもさわりがありません。
杵屋佐吉先生所有”野路”のページ
杵屋佐吉先生HPより
http://www.samonkai.com/library/sakichi_library01.html

それではいつ頃”さわり”が三味線に付けられるようになったかと言うと、
音楽之友社発行の”三味線とその音楽”には、
前回紹介しました風俗画
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この寛永年間(1624~44)の三味線は明らかに一の糸を上駒から外してあるそうなのです。
(二と三の糸は上駒に乗っているそうです。)

しかし杵屋佐吉先生所有の”野路”にはさわりがありません。
こちらの三味線は明暦〜宝永(1657~1708)頃に作られています。
こちらはさわりがありませんので、この頃まではさわり有りと無しの三味線が、併用されていたようだと、書かれています。

それでは何時からさわり有りの三味線に統一されたと言うと、宝暦7年(1757年)の『三弦独稽古』という本にさわりのことがちゃんと説明されているそうです。

ですのでこの頃にはさわり有りの三味線に統一されたと,”三味線とその音楽”には書いてあります。

三味線の伝来は諸説ありますが、永禄5年(1562年)とも言われていますので、
三味線が日本に伝来して、200年位かけて、さわりが付いたようです。

現在はさわりがついてから250年位ですから、三味線の歴史の中では、まだ半分を少し超えたぐらいですね。

そう考えるとまだまだ三味線の形には変化があるかもしれませんね。

亀ちゃんより
http://www.e-kameya.com/

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