三味線コラム -No.187 絹糸の話し。(三味線亀ちゃん)

みなさんこんばんは。三味線亀ちゃんです。

今日は三味線の絹糸の話しをしましょう。

当店は、主に3種類の三味線の絹糸を販売してます。
富士糸、寿糸、初音糸です。

それぞれの糸に特徴があります。

富士糸この糸は私が亀屋で働き始める前からよく聞いた亀屋で一番種類を多く売っている糸です。
私、お店で生まれ育ちましたので子どもの頃は強制的に手伝わさせられていました。(笑)

よくお稽古用の糸と言われる方もいらっしゃいますが、そんな事はなくて十分演奏会用に使えます。
一時期寿糸を演奏会に使う方が多かったのですが、最近また富士糸という方も増えてき多様に感じます。私もいい糸だと思います。
糸の種類は1と2は巻紙が2つです。3は1つ巻紙です。
例えば14-1は、巻き紙が両方とも水色です。15-1は水色と黒色です。
14-3は水色で13-3は灰色です。
糸の番号が分からない時は巻紙の色を覚えておくと三味線屋さんは分かりますよ。
お値段は一番安い糸です。


寿糸は最近演奏会用で広く使われております。
糸の巻きが強くて、強い音が出ます。
その分音が遠くまで届くのではと思っております。
糸の1本1本の品質の差も少ないように思います。
緑の袋とオレンジの袋がありますが、緑の袋の方がお値段が高いです。
当店は緑色の袋のみ販売してます。

当店では寿の糸屋さんと相談して15-1,13-2,13-3は巻き紙を黒くしてもらってます。

かっこいいでしょ!


初音の糸は全体的に柔らかくて小唄や地唄等のしっとりとした音の方に好まれます。
笹の図案の袋で、『おざさの糸』なんて言う方も言います。
こちらの糸は私も見学した事があるのですが、京都で作っていますので、
やはりそれが音にも出るのでしょうか。(はんなりという感じ)

糸はこの他にも種類が沢山あるのですが、極端に安い糸はお勧めしません。
絹糸はあのやわらかい絹を縒って作っていますので、国産の絹の中でも最高級の絹を使っています。
安いと絹の品質を下げたものを使っていますので、切れやすくなっていますし、
当店んで扱っている糸より短い場合もあります。
そして音ももちろん良くありません。

安い糸を買う時はその点を知っていた方がいいと思います。

糸はとても音には重要でよく当店に三味線が鳴らなくなったと来店されるお客様がいますが、糸を三本取り換えるだけで良い音が出る場合が多々ありますので、
三味戦の音が悪くなったらまず自分で糸を変えてみてください。
これもちょっとした三味線を鳴らすコツですよ。

今回は楽器屋の立場から糸の事を申し上げましたが、演奏家の先生はまた糸については色々ご意見があると思いますので、演奏家の立場に立った糸の話も面白いかもしれませんよ。

さてゴールデンウィークも迫ってきて、三味戦亀ちゃんもゴールデンウィーク中は休ませてもらいまして、次回は5/17(木)更新となります。

よろしく〜〜〜 (^^)/~~~~

三味線亀ちゃん
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亀ちゃん(亀屋邦楽器) について

当店亀屋邦楽器に色々な取材の依頼や修学旅行の学生さんがいらっしゃいます。 その時の取材や訪問の様子を掲載しております。また亀屋が注目する邦楽の話題を提供します。メールで私に演奏会の紹介して頂ければ載せていきたいと思います。(邦楽の演奏会に限ります。)ぜひ覗いてみて下さい。亀屋邦楽器(http://www.e-kameya.com/)
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