三味線コラム -No.199 浮世絵から(三味線亀ちゃん)

みなさんこんばんは。三味線亀ちゃんです。
少し前に東京経済新聞に”江戸の芝居小屋”という浮世絵の
シリーズを連載していました。

楽しく読まして頂いたのですが、楽器屋さん視点でこの浮世絵を
楽しんでみたいと思います。

私が一番面白かったこのシリーズの浮世絵は

歌川国貞作『中村座三階稽古惣ざらいの図』
これは面白いですね、江戸時代の歌舞伎の初日前の最後の通し稽古の一場面なのですが、
今もあまり変わっていないのではないでしょうか。
私はあまり歌舞伎の下浚いには参加しないのですが、
時々テレビで拝見するとこのように演者と三味線弾きの周りに関係者がたくさん詰めていますよね。
現在ですとテーブルと椅子が置かれているくらいでしょうか。
みなさんいまでは浴衣ですがこの時代は着物を着ていますね。
今よりもっと着物が普段着として身近だったのでしょうか。

灯りはロウソクのようです。
初日前に役者と演奏家が最後の稽古の緊張感が伝わってきますね。
私も先日国立劇場のお稽古場で下浚いのお手伝いをしましたが、
本番より緊張感がありますね。
本番は始まってしまえば一回勝負ですが、下浚いは弾き終わっても、
ああじゃない、こうじゃないと色々意見交換をしていますよね。


歌川国貞作『楽屋錦絵二編 かつら師かづら打図』

奥で金槌を持っているのがかつら師だそうです。
手前で役者さんが演技の打ち合わせをしているのでしょうか。
かつら師さんは眼鏡を掛けていますね。
この作ったかつらを床山さんが様々な髪型に結い上げるのだそうです。
我々も演奏者の方の傍らで三味線を用意したりして、
かつら師さんの位置に居ることが多いいので何か気持ちがわかるような気がします。
仕事に集中するので演者の話を聞いているような聞いていないような。
この時代はもちろん禁煙室なんかありませんよね。(笑)


駒井美信作『芝居桟敷』

ご贔屓の役者さんを観に来たんでしょうね。
今で言うプログラムを見てご贔屓の役者さんを探しているのですね。
提灯に高麗屋と菊之丞と書いてあるので、そちらがご贔屓なのでしょう。
当店に来てくれるお客様も歌舞伎が好きな人がとても多くて
贔屓の役者さんが必ずいて恥ずかしそうに話す方や、
嫌いな役者さんの話をずっとなさる方もいます。(笑)
何代にも渡ってご贔屓筋の方もいます。
ご贔屓さんはありがたいですよね。

そして芝居がはねて夜の街に出てみなさん家路に帰ると言うところでしょうか。
満月がみなさんを見送っていますよ〜〜〜〜。

歌川広重作『名所江戸百景 猿わか町よるの景』

この作品は現在当店のお店に飾ってあります。
皆さん見に来てくださいね。(^^)/

三味線亀ちゃん
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