みなさんこんばんは。
今日は珍しい三味線が手に入ったのでご紹介したいと思います。
三味線の棹に漆が塗られていて、赤漆が装飾的に棹全体に入っています。
ご覧のように綺麗に赤漆が入っています。
おそらく大正時代か明治時代の関西で作られた三味線だと思います。
保存状態も良く、通常どこか欠けていたり、棹が割れていたりするのですが、
綺麗な状態です。
糸巻きの入る金物も装飾的ですよね、金物が埋め込んでありますね。
今はこのように天神金物を埋め込みません。手間がすごくかかりますので。
糸巻きもこのような形です。
この糸巻きも今は作られていないと思います。
昔はいろいろな形ちの糸巻きがあったようです。時々面白い形の糸巻きを見ます。
なぜ関西製かと思うのかというと、中木が白木で作られています。
この三味線は紫檀でできた三味線ですが、中木だけ白木で作られています。
このように中木だけ白木の三味線は関西で少し前まで作られていました。
関東ですと同じ紫檀で作ります。
それに関西は漆の使い方が上手く、このように全体に漆を入れて、赤漆で装飾を入れるというのは、関西の職人の仕事ではないかと想像します。
関東はどちらかというと、漆を入れても木目を生かす漆の入れ方をします。
一部漆が剥げているところがありますのでご紹介します。
棹の勘所を押さえる所が使って漆が落ちて紫檀の生地が見えています。
通常戦前以前の古い三味線は二つ折れ(棹が二つに分かれる)の三味線が多いいのですが、この三味線は三ツ折です。
現在の三味線のように三ツ折になっています。
この点がどうかなと思っていて、意外と新しい時代の三味線かもしれません。
しかし戦後の三味線ではないと思います。
写真部分の天神の形も少し違いますね。
三味線に漆を入れて赤漆を入れるなんて、とても手間がかかったと思います。
今では手間がかかりすぎて、このような仕上げはしませんが、昔は、作る方も三味線を弾く方も、気長に三味線の仕上がりを待っていたのでしょうね。
三味線を買うという事は今と比べるとずっと、珍しいことだと聞いています。
紅木の三味線が売れると三味線屋さんは赤飯を炊いたなんて聞いたことがあります。
この三味線を見てのどかな昔の時代に想いを馳せる亀ちゃんでした。
次回は胴をご紹介します。
三味線亀ちゃんより
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