三味線亀屋 日高洋輔の奮闘記その百六十五”カンベリ取り”
”カンベリ取り”とは
三味線を弾く時に、左手の指先で棹の糸を押さえた部分を”かんどころ”(ツボ)というのですが、
長い間三味線を弾いている内にその部分が少しつづ削れ、溝のように凹んでくる、
その凹んだ状態を”かんどころ”が減る (カンベリ)
といい、それを取り除く修理なので”カンベリ取り”といいます。
”カンベリ”ができると、その部分を押さえた時に糸が溝に入り、本来の三味線の音が出なくなり、ビビビっという、われた音がします。
よく音が”ビンつく”と聞きますが、カンベリとは楽器が壊れて音が悪くなったのでは無く、そのような状態になるまで三味線を弾き込んだという事ですね(*´-`)
修理はまず、定規を何度もあてながら、棹の適正な曲線に気を配り、”立ちカンナ”と”突きノミ”で表面のカンベリを取り、
砥石やヤスリ、象牙などを使い、磨いて艶をだします。
今では様々な便利な道具が生まれ、使われる機会が減りましたが、昔は”トクサ”や”ムクの葉”など、
自然の植物の葉を乾かして、研磨や艶出しの道具にしていたそうです。
三味線亀屋 日髙
次回は連休のため奮闘記お休みします。