皆さんこんばんは。三味線亀ちゃんです。
立冬も過ぎ寒くなてきましたね。
演奏会も少しづつ増えてきました。
さて今日は鼈甲撥の直しの話をします。
画像は津軽の鼈甲撥ですが地唄や民謡の鼈甲撥も
同じですので皆さん参考にしてください。
鼈甲撥は象牙に比べるとずっと柔らかいので
撥先も早く削れて丸くなります。
こちらの撥はまだ丸くなっていませんがこの撥のように撥先からカーブが無くならないように丸まった撥先を尖らせます。
その分撥先の幅が狭くなります。
ある程度先の幅がなくなると撥の寿命は終わりです。
象牙撥は普通の方は一生直しながら使えますが鼈甲撥は使い方によっては一生は使えません。ある程度消耗品だと思います。
あと撥先の剥ぎ入れというのがあります。
例えば白い線で囲った部分が折れてしまったなんてことも結構あります。
この場合はこの部分に別の鼈甲を剥ぎます。
とれた鼈甲は使えません。結構接着面を大きく取らないと付かないので
別の鼈甲を持ってきます。
白い線で囲った位大きく欠けても直りますからね。
鼈甲撥の場合は剥いだ方でもまた弾くことができます。
この撥のように先の鼈甲がほとんど無くなっても
手元があれば鼈甲を全部取り替えてまた使うことができます。
手元が象牙などの場合はその象牙の手元をまた活かすことができます。
上記の撥の手元はとても珍しく鯨の骨です。
プラスチックがまだ無かった時代鯨の骨が豊富にあったので
安価な撥に象牙でなく鯨の骨を使いました。
鯨の骨の特徴は古くなると画像のようにゴマのように黒い点が
出てきます。
最近は鯨の骨は滅多に見なくなりましたが駒や琴の柱にも
使われていました。
時代を感じさせます。
象牙は長く使っていると象牙色と言いますが飴色になってきます。
私は味わいが出ていいと思うのですが如何でしょうか。
最後に当店のとっておきの津軽の鼈甲撥をご紹介します。
鼈甲が長く入り手元は象牙です。今ではなかなかこのように贅沢に鼈甲が入った撥は
なかなかできないと思います。
お値段は35万円(税別)です。
三味線亀ちゃん
https://e-kameya.com/