皆さんこんばんは。
当店は、来月5月11日(土)から年一回の春のセールを行います。
現在色々準備で商品揃えておりますが、
今回のコラムではいい三味線を作るならば荒木(材料)から作ることをお勧めします。
荒木とは画像にあるように三味線(棹部分)になる前の原材料(紅木)の状態を言います。
大きい紅木が三味線の棹になり、半月にカーブしている紅木が天神になります。
残りの小さな棒状の紅木が中木になります。
胴は今はほとんど花林の木です。
最近は三味線の形になっている三味線を買う方が多いいと思います。
当店もそのように売る場合がもちろんあります。
しかし本来は良い三味線(演奏会用)は荒木から作るのが、少し前までは普通でした。
なぜならその方が三味線を使うお客様にぴったりの三味線を作れるからです。
三味線は古典楽器ですのである程度ジャンル(長唄・小唄・地唄・津軽等)によって寸法が決まっていますが、使う方の性別・体格・手の大きさ・技量によって微妙に寸法を変えると、とても弾き易い三味線になるのです。
例えば、体が大きい若い男性と高齢の女性の方では同じ三味線でも寸法を少し変えてあげた方がいいと当店は思っております。
さらに荒木からだと木あじ(材料の質)も自由に選べます。
我々三味線屋は木あじの硬い紅木の三味線が好きですが、そうしますと棹に合った胴もバランスをとって硬い花林の材料で作るので、当然三味線は重くなります。
そうしますと女性の方ですと重くて使いにくい三味線になってしまいます。
材料的には良い三味線ですが、その方には合わない三味線になってしまいます。
そうゆう三味線はプロの方とか男性の若い方に勧めます。
女性ですと木あじはホドホドでトチが良く出た、綺麗な上品な三味線をお作りします。
このような使う方に合わせて作るには荒木から作るのが一番良いのです。
最近荒木から作るのが少ないのは紅木の材料が10年以上インドから国内に入っていないからだと思います。(これはまたいつかコラムで書きますね。)
あと荒木で持っていると当然在庫になりますので、楽器屋さんの金銭的負担が増えます。
私が荒木が好きなのは、以外と三味線にすると思ったより良い三味線になる場合があるからです。
このように荒木が化けますとお客様にも喜んで頂けるのでとても嬉しいのです。
もちろん逆の場合もあります。
お客様が荒木を見ても良し悪しは分かないと思います。
三味線屋さんも出来てる三味線をお見せした方が、それ以上変わりませんので安全です。
最近は材料が入らないので木あじの良い紅木がなかなかありませんが、
荒木ですと上手く荒木を仕入れると木あじの良い紅木が安く揃います。
三味線屋の実力が問われる作り方と言えます。
父もいますので、最近は二人で相談するとあまり外れは無くなりました。
ギターでも住宅でも出来ている物よりカスタムギターや注文住宅のように作った方が良いのと同じだと思います。
荒木から作ると通常当店ですと100万円以上(津軽だと120万円)しますが、
今回春のセールで80万円(津軽90万円)からご提供いたします。
ぜひご利用頂いて、ご自分にあった荒木からのお三味線を作ってみては如何でしょうか。