みなさんこんばんは。
今回は、亀屋の長唄三味線へのこだわりを書きます。
長唄三味線は細棹で、三味線の中では小ぶりの三味線ですので、木味の良い(木が硬い)荒木で作ってもそれほど重くなりませんので、木味がいい木で作ったほうがいいと思います。
とはいってもプロの方でなければ、特に女性の場合は長唄は特に粋に江戸前のトチが綺麗な三味線のほうが長唄の三味線としては私は好きです。トチがあって木味の良い三味線はもちろんよいのですが、お値段も高くなりますので、ケースバイケースですが、やはり、趣味でなさっている方なら木味はそこそこの良い木を使ってトチを重視して綺麗なほうが良いのではないでしょうか。
天神の重いのはバランスが悪くなって弾いてて疲れますので、バランスよくすっきり作りたいですね。
最近長唄の三味線も太くなってきていますが、あまり太くすると、長唄三味線らしい優雅さがなくなりますので、当店は気持ち細めにしてます。
糸巻きは象牙になりますので、糸巻き金物もよく吟味して特別なものを使ってます。
長唄は弾いている間に調子が変わりますので、糸巻きは神経を使ってよくあわせます。
糸巻き金物がK22の金物だと糸巻きの止まりが特に良くなります。
長唄は糸巻き付近は良いものを使ったほうが良いと思います。
象牙の駒も薄く作った駒を当店は使っています。象牙は強いので薄く作っても壊れにくいのです。
でも薄く作るのは難しいし面倒ですのでなかなかいい駒はないのですが、なるべく象牙の質が良い駒を選んでいます。
他の材料ではここまで薄く作れません。
でも薄く作っているので音は良いですが、取り扱いにはご注意ください。
長唄の撥ですが、演奏会用は象牙ですが先のしなりが弾く方それぞれで、先の薄め方が特に難しいです。
これは演奏するお客様とよくお話しして、一度ではなく二度ぐらいでうまく弾く方に合う位の気持ちで仕上げます。そうしないと薄くしすぎるともう元には戻りません。
ですので慎重にさせていただいております。
皮も演奏会用は四つ皮を使いますので、豊富にないとうまく張れませんので、なるべく豊富に四つ皮を持つようにしてます。
長唄をやってらっしゃる方は長くおやりになっている方が多く、よく三味線のことをよく分かっていらっしゃる方が多いいので気が抜けません。