三味線コラム -No.22-亀屋のこだわり。(べっ甲撥編)

みなさんこんばんは。

亀屋のべっ甲撥のこだわりを書きます。

撥全体にいえる事は先のしなり具合を調整するのが、一番難しいと言う事です。
木撥やプラスチック撥は基本的に先の調整はしません。
象牙やべっ甲は自然な素材ですので、先のしなり具合を自由に変えられます。
ここに価値があります。

べっ甲は象牙と違って柔らかいので、以外とすぐに削れてしまいます。
艶を出す為に磨きをすると結構削れてしまいます。

ですので、この削れ具合を計算して薄めないと、先がペラペラになってしまいます。
『削りすぎない』事がポイントです。

津軽の方は結構激しく弾くので、プラスチックの撥を使っていると折れる事があります。
その点べっ甲撥はべっ甲がしなりますので、折れませんし手首へのダメージも減らしてくれます。

一点皆さんに注意して欲しいのはべっ甲は虫が食いますので、使っている時はいいのですが、使わない時は、収納場所に衣服の虫除け等を一緒に置いておく事をお勧めします。
よくしばらく使わなかったべっ甲撥をお客様が持っていらっしゃるのですが、虫に食われて撥先がボロボロの物があります。

撥先のしなり具合は本当に色々で地唄の方等は象牙の撥の感覚と同じが良い方もいらっしゃるし、薄くしてしなりを出して欲しい等千差万別です。

津軽の方は男の方等はご自分で削る方もいらっしゃいます。
ご自分の撥ですので、良いのですが、削りすぎないように注意した方がいいと思います。
前に申し上げたように、磨いていても削れていきますので、そこを計算して削った方がいいと思います。

昔は手元象牙で先べっ甲と言う撥をよく作ったのですが、いまは高いのでなかなか出ないですね。

当店ではお客様とよくお話をしながら先のしなり具合を調整していきます。
最近はお話をさせて頂くと、
ほとんどの場合お好みのしなり具合を出せるようになりました。

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亀ちゃんより

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亀ちゃん(亀屋邦楽器) について

当店亀屋邦楽器に色々な取材の依頼や修学旅行の学生さんがいらっしゃいます。 その時の取材や訪問の様子を掲載しております。また亀屋が注目する邦楽の話題を提供します。メールで私に演奏会の紹介して頂ければ載せていきたいと思います。(邦楽の演奏会に限ります。)ぜひ覗いてみて下さい。亀屋邦楽器(http://www.e-kameya.com/)
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