日髙洋輔の奮闘記その二十八
“月形”
三味線の一番上、
天神の”月形直し”をしました。
月形は薄く壊れやすい所で、
頻繁に床と接触するので、
天神袋を外したら、
いつの間にか欠けていた
というケースが多い場所です。
修理にはまず、ノミで、ひし形の角を作ります。
この時、刃の切れ味が悪いと
木が欠ける可能性もあるので
注意します。
木の色合いや
木目の合った埋め木を探して、
角にピッタリ合うように削り、
接着剤でくっつけるのですが、
この面と面が”ピッタリ”合うように
削ることが難しいです(-。-;
少しの角度の違いもゆるされず、
少しでも隙間があれば、
せっかく修理しても、
その部分が目立っちゃいます
(ー ー;)
この工程をいかに早く丁寧に
できるかで、
作業時間と出来上がった時の質が決まります。
次に、
ヤスリや”生反り”(なまぞり)などの
道具を使い、必要の無い部分を削っていく。
なまぞりは天神の裏の球面を削る時に使います。
砥石やペーパーで、
荒削り、中研ぎ、仕上げを行い、
磨きあげて、
最後は椿油をぬり、
艶出し用の粉を手のひらに塗り
なんども手で擦って艶をだして、
出来上がり。
追記
先日、
お琴の糸締めの研修会に行きました。
東京芸術大学などの
琴の糸締めをされてる職人が講師で、
まじかで琴の糸を締めてるところを
見せてもらいました。
長年、糸を素手で締めて、
手にできたタコが印象的でした。
ゴツゴツとした
いかにも職人らしい手でした。
自分の手もチェックしてみました。
….序の口ですね(笑)