三味線コラム -No.88化繊の糸。

皆さんこんばんは。
今月は糸の事いろいろ書いていますが、今回は化繊の糸についてです。
絹ではない糸の事ですね。
現在テトロンとナイロンの糸があります。

ナイロンは英語ですがテトロンは「ポリエステル系の合成繊維の日本での商標名」だそうです。
英語ではpolyester(ポリエステル)と言うようです。

20141218strings01
一の糸に化繊の糸は私の知ってる限りありません。
そもそも絹の糸では演奏会中に切れてしまうので、化繊の糸を使いました。
音はやはり絹の糸が良い。

二の糸は津軽三味線で主に使います。
津軽は三の糸はナイロンの糸、二の糸はテトロンを使う方がいます。
二の糸が絹糸ですと切ってしまう事があるようです。

他のジャンルの三味線は三の糸だけ化繊の糸にする事があります。

でもあまり小唄とか地唄の方は化繊の糸は使いませんね。
小唄は指で弾きますし、地唄は撥の当て方があまり強くないので、糸が切れにくいからだと思います。

テトロンの三の糸は以下です。
20141218strings03
絹糸に似てますね。

ナイロンになると
20141218strings04
糸が透き通ってます。これは一目で分かります。
テトロンの糸は切れる事がありますがナイロンはほぼ切れません。
津軽の方はナイロンの糸を使います。
糸の延びも絹糸に比べると少ないので、扱いやすい糸と言えるでしょうか。

三の糸はまあお好みだと思うのですが、二の糸は私はあまり使わない方がいいように思います。
なぜなら三の糸は見て頂くと糸の表面がつるんとしているのですが、二の糸は
20141218strings02
糸が撚られてるのが分かるでしょうか。
ナイロン糸は強いので切れないでいいのですが、
撚られていると三味線の棹の方を削ってしまいます。
いわゆるかんべリがたってしまいます。
棹の傷みが絹より激しくなってしまうのです。

これは三味線屋からするとあまりお勧め出来ません。
化繊の糸も大分音が良くなってきましたが絹の音にはかないません。
皆さんも絹糸もチャンレンジしてみて下さいね。

亀ちゃんより
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三味線コラム -No.88化繊の糸。 への2件のフィードバック

  1. 酒川康之 のコメント:

    s三味線の修理をお願いしたいのですが  革張替と調整仕上 撥がありません 
    安い撥を付けて見積をしてください。

  2. 酒川様
    こんばんは。

    三味線修理お問い合わせありがとうございます。
    三味線の張替えはおやりになっているジャンルによって違うのですが、
    長唄、小唄、端唄、民謡の三味線でしたら両面で2万円ぐらいです。
    あと棹の方は実際に拝見しないと分からないのですが、糸巻きが黒檀ならば糸巻き調整が3,000円ぐらいだと思います。
    撥も色々なのですが例えば長唄の木撥ですと3,500円位です。
    もしよろしければ当店のメールに連絡を頂けますと、お話しできると思います。
    当店のメールアドレス
    info@e-kameya.com

    亀ちゃんより

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