三味線コラム -No.122 三味線の棹のソリについて〜続き。

みなさんこんばんは。
演奏会が花盛りですね。
家も演奏会のお手伝いに行きます。

我々は裏方ですので、見に来た皆さんには見えませんが、舞台の裏で三味線を継ないだり、音を合わせたり、弾き終わった方の三味線を片付けたり、忙しくやってます。
皆さんも楽屋見舞いに行くと、楽屋に三味線さんがいると思いますよ。

さて今回は前回の続きで棹のソリについて書きます。

前回のようにソリが大きい三味線もあれば、逆に反ってしまっている三味線もあります。
こちらは”逆ソリしている。”と言いまして、これは直さなければいけません。

通常の棹は
151001sori02
この様な棹の中央が適度に隙間が空いているのが、正しい三味線のソリです。

それが下の様に棹の中央が高くなってサワリの付近が低くなってしまっています。
151008sori03

この様になってしまうといくら張り替えをしても良い音がしません。
サワリを付けようとしても良いサワリがつきません。
私たちは”詰まった音がする”と言っていますが、サワリが長く付きません。

アップにしてみますと、
151008sori01
151008sori02

この様にサワリ付近に隙間が空いてしまっていますよね。
これを適正な棹のソリに直すのです。
古い樫とか紫檀の三味線は逆ソリしている三味線が,結構ありますね。

こうゆうケースを見ても花林とか紅木は、狂いが少なくて細長い三味線を作るのに適した木といえます。

なかなか、使っている方は気づかないのですが、家は三味線をお預かりする時に、
棹のソリを必ず見る様にしています。

家はこの様になるべく張り替えの場合でもお客様に棹を極力持って来ていただく様にしています。

ちょっと皆さんに無理を言うかもしれませんが
張り替えだけでは判断できないことがいろいろありますので、
ご面倒でも三味線全体を持って来て頂けるとありがたいですね。(^^)/

亀ちゃんより
http://www.e-kameya.com/

アバター画像

亀ちゃん(亀屋邦楽器) について

当店亀屋邦楽器に色々な取材の依頼や修学旅行の学生さんがいらっしゃいます。 その時の取材や訪問の様子を掲載しております。また亀屋が注目する邦楽の話題を提供します。メールで私に演奏会の紹介して頂ければ載せていきたいと思います。(邦楽の演奏会に限ります。)ぜひ覗いてみて下さい。亀屋邦楽器(http://www.e-kameya.com/)
カテゴリー: コラム パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください