みなさんこんばんは。三味線亀ちゃんです。
夏は如何でしたか?
まだ暑い日が多いいですけど、
秋は演奏会の季節ですので、
三味線の季節でもありますね。
さて今日は邦楽器を描いた浮世絵についてです。
この浮世絵はボストン美術館所蔵 葛飾応為作『三曲合奏図』です。
葛飾応為さんはあの葛飾北斎の娘さんです。
北斎お父さんの制作を手伝っていて「おーいおーい」と言われたので、
葛飾応為と名乗ったとか。
面白い逸話がある方ですが、色々ネットで調べると作品についての解説がありますが、
楽器屋の亀ちゃん的には、三曲の合奏に「胡弓」を使っているところが面白いですね。
今では三曲合奏と言うと尺八が入るのがほとんどだと思うのですが、
江戸時代後期(作品の制作年代 文政年間1820年前後)のこの時代ですと、
胡弓が入るのが普通だったのかなと思うわけです。
胡弓は私が邦楽業界に入った25年前には殆ど見なくなっていました。
三曲の演奏会に行くともちろん尺八が入っていました。
業界に長く身お置いていると段々胡弓が昔は三曲に入っていることを知り、
ある日父がこのポストカードを買ってきた時にとても感銘を受けました。
昔は尺八は男性が吹くものでしたので、
女性の合奏に男性が入る事は憚れたのでしょうか。
明治になってから段々尺八が三曲に入ってきたと聞いております。
女性の三曲の中に男性的な尺八が入ったので、音楽的に豊かになったとも言えたのでしょうか。
尺八に演奏家に名手が輩出したのも原因かもしれません。
平成の終わるいまですとまた胡弓もいれて「四曲合奏」もいいかもしれませんね。(笑)
胡弓の毛が黒いのも面白いなと思います。
現在は毛は白いですから。
浮世絵はデフォルメしている場合もありますが、
私は結構正確に描いている場合も多いいと思うので、
この時代は胡弓の毛は脱色しないで使っていたのかもしれませんね。
最近は胡弓の愛好家の方も徐々に増えています。
日本で発達した数少ない擦弦楽器ですので、
またやる方が増えるといいな〜〜とこの絵を見ると思います。
当店にいらっしゃたら、この葛飾応為さんのポストカードが、
店内の何処かに張ってありますので探してみてくださいね。(^^)/
三味線亀ちゃん
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