三味線コラム-No.214 駒の位置(三味線亀ちゃん)

みなさんこんばんは。三味線亀ちゃんです。

今回は駒の位置について書きます。
駒の位置というのはとても大事で
駒の位置で音が大きく違ってきます。

三味線のジャンルによっても違うのですが
例えば下記の画像のように駒をつけます。

右から長唄・地唄・津軽三味線です。

基本的に音緒に近い方に駒をつけるとシャープな音が出ます。
撥皮の方に駒を寄せるほど柔らかく大きな音が出ます。

地唄は柔らかい音が好まれるので少し撥皮側に駒を付けます。
また長唄はシャープな音を好みますので音緒側に駒を付けます。

長唄ですと駒の位置は私の指で音緒から2本ほどでしょうか。

駒の位置が難しいのはこれを基本にして個人で駒の位置が変わります。
津軽の駒の位置があったと思いますが随分と撥皮側に寄ってますね。

津軽の音はシャープな方がいいので音緒側に寄せた方がいいように思いますが、
津軽は音のボリュームも欲しいので駒を上に付けます。

シャープな音と音のボリュームが欲しいとなりますと、
皮を強く張る必要があります。
そうしますと厚い皮を張らなければいけなくなります。
津軽の皮は厚いと言うのはこのような理由があります。

各ジャンルのプロの方は現在ホールなど昔に比べて、
大きな会場で演奏しますのでボリュームが必要になります。

ですので皮はやはり厚めとなります。
しかし演奏家によって演奏方法が色々ですので、
皮を厚くしますと弾きにくいとおっしゃる方もいらっしゃいますので、
演奏家の方にあった皮を使うのですが、
ある程度皮に満足していただけると
駒の位置で工夫して頂くことになります。

ここからは三味線を弾く方全体に言えることですが、

我々職人としては皮の張りを駒の位置で演奏する方が
音色を変えられる位のレベルにすることが大事です。

皮を張りたての時は駒の位置を撥皮側にして
演奏者の好みの音が出るようにしていただきます。

皮が緩んでくると音が変わってきますので音緒側に駒の位置を移します。

それで音緒側に駒を寄せても自分の好きな音が出なくなると皮が破れていなくても
張り替えの時期ということになります。

これが分かっていると自分の三味線の張り替えの時期というのが分かります。

まずはご自分の好みの音というのを見つけてその音が出る駒の位置を探してください。
駒の位置は決まっていなくご自分で探っていくものです。

三味線亀ちゃん
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三味線コラム-No.214 駒の位置(三味線亀ちゃん) への2件のフィードバック

  1. 杵屋 徳衛 のコメント:

    亀ちゃん、こんばんは。
    とても良いお話ですね。
    最近というか、かなり前からですが、地唄の方々が、どうした加減か、あのほんわりしたなんとも言えず緩やかな地唄の音色に、まだ良さを見出せないのか、長唄的音を好み、駒の位置まで、音緒に寄せて弾いてます。
    もう、ずっと何年も前からです。皮も甲に張ってくれとかの注文が来ませんか?
    あのやはらかな音色は、ともすると”ボンボコ”と聞こえるかもしれませんが、それはまだ初歩の耳ですね。
    何年もすると気がつくときが来るかとも思ったのですが、その気配がありません。
    それは、洋楽の発想が普及したことと、無縁ではありません。
    こうしたことを、大いに広めてください

  2. 貴重なコメントありがとうございます。
    音色は難しいですね。それこそお一人お一人ご意見があると思います。
    時代と共に変わる場合もあると思います。
    演奏家の方はそれぞれ音色にこだわりがあると思いますので、
    私としましては、習っている方に少しでも参考になればと思い書かせて頂きました。

    三味線亀ちゃん

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