三味線コラム-No.219 撥の話~続き。(三味線亀ちゃん)

みなさんこんばんは。三味線亀ちゃんです。

最近お店に来店くださる方からブログ読んでます!
と言っていただくことが多くなりました。
大変大変嬉しいです!!
本当に励みになりますので、
お声をかけてくださいね!(^^)/

さて撥のお話の続きですが、
代表的な例として長唄の象牙撥でお話ししますね。
撥は先の薄め、しなり、手元の太さ、長さ等を
弾く方の好みに合わせて削っていきます。

右側が荒撥で左側が削ってお客様の好みに合わせた撥です。
削る前の撥は荒撥と言いまして通常象牙撥はこの状態で販売しまして、
買っていただいてから削って撥を使う方に合わせていきます。
右側と左側の撥を比べると先が随分薄くなっているのが分かると思います。
手元も持ちやすいように薄くしてます。
先は薄くするのは分かると思うのですが、上から二番目の矢印の所を
削ると撥にしなりが出ます。

このしなりの出し方が撥の仕上げの中で一番難しいです。
しなり方も人によって千差万別ですので、
弾く方のお話をよく聞かないとしなりを出しすぎて、
撥が使えなくなってしまいます。

上記の画像のように丸が付いている部分を削ってしなりを出すのですが、
これが少し削るだけでしなりの感じが変わってきますので、
慎重にやっていきます。
削った後に磨いて綺麗にツヤを出しますので、
磨く分も計算に入れてやります。

あと脇のカーブの具合によってもしなりは変わってきます。
カーブのない撥はいくら先が薄くてもしなりません。
ここのカーブと丸がついている部分薄め方でしなりを調整します。

あと長さですね。

撥はバランスが大事ですので長さが変わるとバランスが変わって
弾き味が変わってきます。
撥が弾きにくい場合は長さを切るのも一つのやり方ですよ。

当店は撥が弾きにくいと相談を受けますと、
以上のような要素を考えながらご相談していきます。
ですのでちょっとしつこいなというくらい撥の直しの場合は、
お客様に聞きます。
でないと撥の直しというのは上手くできないので、
お付き合いくださいね。

撥の直しは外注でやってくれるところもあるのですが、
当店では全て自分でやっています。
細かい撥の好みは実際に接客しないとできないと思ってます。

津軽のべっ甲撥や地唄の撥も基本は同じです。
べっ甲は柔らかいのですぐ削れてしまうので、
磨きだけでしなりを出す時がもあります。

男の方だと自分で直そうとする方がいらっしゃるのですが、
大体ダメですね。上手くいきません。
まあ持ってきて頂ければ上手く直しますが、
直らない場合もありますからね気をつけてください。

三味線亀ちゃん
https://e-kameya.com/

 

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亀ちゃん(亀屋邦楽器) について

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