みなさんこんばんは。 三味線亀ちゃんです。
新型コロナウィルスの事で世間は騒がしいですが、
季節は春に向かっていますね東京は明日にも桜の開花宣言
になるかもしれません。
一年で一番良い季節をこれから迎えますので、
楽しい気持ちで過ごしたいですね。
今日は久しぶりに三味線の”ハ”について書きたいと思います。
当店はハについてはとても気をつけています。
ハが良くないと三味線は弾きにくいし張り替えてもいい音がしません。
三味線の張り替えを受けるときに棹がある場合は必ずハをみます。
それではハとはどこのことかと言いますと、
こちらの三味線を撥で弾くところの糸と撥皮との開きを言います。
こちらの画像は長唄の場合のちょうど良いハの高さです。
これが長い間三味線を使っていますと棹が反ってきたりカンベリをしたりしますと、
こちらの糸と撥皮の間が開いてきます。
これをハが悪い状態といいます。
こちらがハが悪い状態ですが黒い棒が長くなっていると思います。
三味線は通常撥で弾くので糸と皮までの距離があるとその分
長い距離を弾くことになりますので速い曲などは撥さばきが
間に合わなくなります。
それに音も当店では”ポンポン”と表現するのですがハが悪い独特の音になります。
こちらはなれないと分からないかもしれませんがなれてくると音が明らかに違ってきます。
津軽三味線などは長唄より低い駒を使うので糸と撥皮の間がもう少し狭くなります。
津軽は早弾きをしますので距離が狭い方が弾きやすいのです。
その分糸を弾く力が小さくなりますので音が小さくなりますので胴を大きくしたり
して音量を確保しています。
小唄などは指で弾いて撥皮まで当てないのでハは関係ないように思いますが、
ハが悪いとやはり音が悪くなるのでハは重要です。
この距離の事を”ハの高さ”と言うのですが、ハの高さは各ジャンルでだいたい決まっています。
ある程度幅があって弾く方の好みもありますので私達はお客様の好みを覚えていたり
お客様の弾き感をお聞きしたりして修理するか決めます。
ハを高めにして音を大きく出したいとか初心者の方はハが低めの方が弾きやすいので、
少しハを低くするとかお客様によって按配をします。
結構演奏する方は少し変わっても分かるので修理する時はよく話て納得していただいて
からハ直しをするようにしています。
私たちは”トンボ”という道具を使ってハを見ます。
棒の先に横棒があってトンボみたいでしょ。(笑)
このトンボを棹の平らな部分に当てて隙間を見ます。
矢印の部分が隙間が空いているのがわかると思います。
これは空いていなければいけないのですが、
ハが悪いと以下のようになります。
後のオレンジの部分が見えなくなっていると思います。
こうなりますと駒をかけると糸と撥皮が離れてしまって
ハが悪い状態です。
私たちはこのトンボを使ってハを直します。
次回はハの直し方を書いてみたいと思います。
三味線亀ちゃん
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