三味線コラム-No.282 昔の珍しい三味線を再生しました。(亀屋)

みなさんこんばんは。三味線亀ちゃんです。
前回は沖縄三味線をご紹介いたしましたが
今回は本土の三味線の珍しい三味線を再生いたしましたので
ご紹介いたします。

お客様からご依頼を頂きまして六つ折れの三味線の再生のご依頼を受けました。

棹は樫材で胴は花林だと思います。
この三味線を柳川三味線として使いたいと言うご依頼でした。

こちらの三味線が色々珍しく昔の三味線の特徴が色々残っているので
ご紹介いたします。
送られてきた時に桐の箱に入れて頂いて当店に届きました。

このように二段になっておりまして棹の収納もきれいに入るようになっております。

桐の上蓋ももちろんありあますが縦に蓋が入っていて上に持ち上げると上記のように
胴が入っています。

年代を見ますと

胴の中に明治7年戌土月山岸製と読めます。
戌月は新暦の概ね10月頃だそうです。
明治7年は1874年ですと148年前に作られた三味線という事ですね。
昔の三味線には胴の中や中木に納品した年とお店の名前が書いていることが
よくあります。
今より三味線を販売するのは珍しいことだったんですね。

昭和初期でも三味線が売れるとお赤飯を食べたと聞いたことがあります。

この胴の中ですが今の綾杉胴の前の形の細工が見てとれます。

胴の横を一本溝が彫られています。縦にも薄く彫ってあります。
これは今の綾杉彫の前の形であると思われます。
先人たちも色々工夫していたんですね。

棹や胴の表面には朱漆が塗られています。

昔は漆が身近でしたからこのような装飾がされているのですね。
朱漆が良く残っております。
今はとても手間がかかりすぎて出来ません。

上駒は竹ですね。義太夫の三味線は今でも竹の上駒を使います。
昔の三味線の形態ですね。緑色に塗っているのは珍しいですね。


糸巻きも細かな装飾が施されています。
昔の糸巻きは色々な形があるので楽しいですね。
直す時にうまく直さないと替えの糸巻きがありませんので緊張しました。(笑)


胴に胴掛けの代わりに経木が張り付けてあります。
これは私初めて見ましたが胴掛けが出来る前はこのように腕の載るところが滑らないように工夫していたのですね。とても興味深いです。

音緒もこのように房がついています。
今の三味線よりとても装飾が凝っていますね。
私に私見ですが現在はシンプルなデザインが好まれる傾向がありますが、
19世紀末から20世紀初頭は装飾を凝ることが好まれていたように思います。
時代によって流行りというのは変わりますね。

以上今回はここまでですが次回もこちらの再生した三味線をご紹介したと思います。

この三味線をブログに載せることを快諾して頂いたお客様には大変感謝しております。
改めてお礼申し上げます。

三味線亀ちゃん
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