三味線コラム-No.312. 三味線の胴の裏書~続き。

みなさんこんばんは。三味線亀ちゃんです。
立冬も過ぎましたのに暖かい日が続きましたが
いよいよ週末から寒くなってくる様です。
寒くなってきますと三味線が一番良く鳴る期間となりますので
みなさん楽しんでください。(^^)

さて前回の胴の裏書の続きですが

こちらは大正7年(1918年)の裏書がありますね。
1918年と言いますと第一次世界大戦があったごろでしょうか。
105年前になりますね。
三味線はよく持ちますね〜〜〜
大正や昭和の初期の三味線はいまでも普通に修理します。
胴で言いますと今の胴と比べると薄いですね。
三味線は軽かったと思います。
持ち主は八王子の方だった様です。
八王子はいまでも花街がありまして三味線が盛んな所だったのだと思います。
縦横に溝が彫ってありますがこれも少しでも音を良くしようと言う取り組みだと思います。
綾杉彫の胴に近づけようと言う事だと思います。

こちらは大正10年(1921年)102年前ですね。
大正浪漫の時代でしょうか。自由な雰囲気があった時代でしょうね。
こちらは三味線を納めた楽器屋さんの名前が入っていますね。
こちらのお店の名前が入っているのもよく見ます。
こちらは綺麗に綾杉彫が入っています。
三味線の胴は古くなるほど綾杉胴は少なくなります。
当時では貴重な三味線だったと思います。
こちらも前の三味線の胴と同じ位の薄い胴です。

こちらは北海道の札幌の楽器屋さんの屋号が入っています。
年代は特定できませんが胴の渦巻がはっきり出ていますので
材料はいい材料ですね。
前出の二丁の胴よりもかなり新しいと思います。
やはり戦後になると胴の材料(花林材)の質はかなり良くなってきます。


こちらは中嶋までは見えますがあとは私は判読できません。
こちらはかなり古い胴に見えます。
こちらはですね胴に傷?を付けた跡があります。

これはおそらくなのですが綾杉の代わりにやったのではないでしょうか?
まあこれはこの職人さん独自のアイデアだと思います。
あまり見ません。
今やったらお客様に怒られると思います。(笑)
少し赤くなっている部分がありますがこちらは赤漆を使った跡ではないかと思います。
と言う事は漆を使うのが上手い関西の方で作られたのかな?
とか想像は膨らみますね。

色々先人は努力しているのだなと思った亀ちゃんでした。

三味線亀ちゃん
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