三味線コラム-No.289 仮継がない時の対処法。

みなさんこんばんは。三味線亀ちゃんです。
涼しくなってきましたね。寒く感じる時もあります。
あんなに夏が暑かったのに季節は巡るんですね。

さて今回は仮継が無い三味線を梱包する時のやり方です。
当店にも色々な所から三味線が送ってきて頂き修理をしたりして
三味線を梱包して返しているのですがその時に仮継が無い三味線を
梱包する時の当店でしているやり方を書きます、

画像で矢印をしている部分が梱包する時に特に危ないです。
紅木の三味線ですと仮継があるので仮継を付ければいいのですが、
画像の様な花林の練習三味線ですと大概仮継が無いので
矢印の部分を保護しなければいけません。

A4の紙を用意していただいて。

以下の様にしていきます。

紙の縦折と横折の間に継手部分を入れます。
そして紙を三味線の棹に巻いていきます。


巻いた紙をセロテープで3箇所位止めますと上記の様に巻けます。

これを三味線の継手4箇所でやってください。

こうしますと三味線を梱包する時に安全性が高まります。
絶対安全ではありませんがかなり良くなります。
この後エアーパッキンを三味線に巻いて梱包すると良いと思います。

色々やり方はあると思いますが当店では上記の方法で仮継の無い三味線は梱包してます。

参考になれば嬉しいです。

三味線亀ちゃん
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三味線コラム-No.288 胴張りゴムの付け方ご紹介します。

みなさんこんばんは。三味線亀ちゃんです。
東京も大分秋らしくなってきました。
最高気温も20度前後でちょうど良い気候ですね。
三味線屋さんとしては湿度が下がってきたのが
嬉しいですね。
三味線が良く鳴るようになります。
楽器に湿度は大敵です。

さて今回は胴張りゴムの付け方を動画を含めてご紹介します。
胴掛けゴムは以下のような商品です。

裏側がセロハンテープの糊面のようになっていまして胴に張り付けて使います。
色は色々あるのですが目立たない方が良いので茶色とか黒色とか使う方が多いいです。
最近は透明な張りゴムがありまして胴の木目も見えますし人気があります。

当店胴張りゴムのページ
https://e-kameya.com/accessory/douharigomu.html

津軽三味線は通常当店はこのように付けています。

普通三味線は以下です。

こちらは張りゴムの(小)を使っていましてそれを半分に切って張っています。
張りゴムを自分のお好きなように切って使うのも良いと思います。
膝で止まっているのは狭い範囲ですので小さく切って使うのも有りだと思います。

この張りゴムですが接着力が強いのです。
長い間張り続けていますと剥がす時に糊面が残って苦労します。
無理やり取ろうとしますと胴が傷つきますきます。

私は張りゴムを付けるときは手に付けたりして接着力を弱めてから付けるようにしています。
そうしますと剥がす時に苦労しません。
あまり付けっぱなしにしますとゴムの面が硬くなってポロポロ落ちてきますので
一年に一回ぐらいは取り替えた方がおすすめです!

以下に接着面の弱め方と津軽三味線に張る動画を付けますので参考にしてください。
IMG_2773

三味線亀ちゃん
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三味線コラム(ブログ)延期のお知らせ。

みなさんこんばんは。三味線亀ちゃんです。

すみません。
仕事が忙しく今日書き込むはずだった三味線コラム延期させて頂きます。(t t)
秋は演奏会やお浚い会があるので『いつ何時までに』三味線を仕上げなければならないのが多くあります。

私亀ちゃんもそのようなお仕上げを多数抱えておりましてブログの書き込みを来週に変更しなければ間に合わない事態になってしまいました。(恥)

亀ちゃんコラムを楽しみにして頂いている方もいらっしゃいますのにすみません。

最近お店でもコラム読んでますよ〜〜とおっしゃる方が多くいらっしゃいます。
大変嬉しく思っております。(^^)

申し訳ありませんが来週三味線コラム書き込ませて頂きます。

あ!?時間時間!仕事をしなくては!

それでは皆様も演奏会に向けて楽器の整備は怠りなくしてくださいね〜〜〜

三味線亀ちゃん
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三味線コラム-No.287 胡弓おわら胡弓の弓のご紹介。

みなさんこんばんは。三味線亀ちゃんです。
秋ですね〜〜。
演奏会シーズンで当店も修理等色々忙しくなってきました。
秋はみなさん舞台があるので仕上げの日にちが切られてしまうので
遅れないように仕上げなくてはいけないので緊張します。(笑)

さて今日は当店で販売している胡弓の弓を特注で作っているのでご紹介します。
胡弓の弓の話ですので少しニッチかなと思いますが使いやすく工夫しましたので
ご紹介したいと思います。

富山県のお祭りおわら風の盆で使う胡弓の弓を以下のように作りました。

胡弓は結構長く扱っているのですが弓はなかなか難しく皆さんの意見を取り入れまして
今回の弓を作りました。

おわらの弓ですと基本的に歩いて流し弾きをしますので軽くなければいけません。
先を細くするのがポイントなのですがあまり細くしすぎるとしなりすぎてしまうので
その塩梅が難しかったですね。

おおむねお客様には好評いただいております。

当店胡弓のページ
https://e-kameya.com/kokyu/

三味線亀ちゃん
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三味線コラム-No.286 当店販売の舎利駒のご紹介。

東京は秋めいて参りました。
朝晩は半袖が辛くなって参りました。
お客様のご来店も多く演奏会のシーズンが来たなと肌で感じます。
何かこの感じ久しぶりの様な気がします。

さて当店では最近舎利駒を二種類特上4,100円の物と上3,500円の物を販売しておりますが(2022年9月現在消費税込み)この違いについて今回は書きたいと思います。

舎利駒の材料は牛の骨です。
その中でも硬い部分を使っております。
私いつも思いますが駒は姿が美しいですね。
見ていると惚れぼれしてきます。
機能美と形の美しさが融合しています。

一見両方とも同じ様に見えますが
よく見ると特上の方が全体的に華奢に薄く出来ております。
象牙の駒を見ると分かるのですが
長唄や端唄民謡等に使う舎利駒は薄くした方が三味線が鳴るとされております。

しかし材料が弱いと薄く作っても糸のテンションがかかると壊れてしまいます。
この塩梅が難しいのですが特上の駒は私が見ても時々象牙かな?!と思うくらいの出来になってます。

(上)のコマも十分なりますが特上の駒を使ってみるのもいかがでしょうか。

材料も綺麗な材料を使っていると思います。

同じ付属品でも使ってみると音が違う場合も
ありますし実際に見てみると違いも分かりますので楽器屋さんに行って話してみると
良い物があるかもしれませんよ。

当店駒のページ
https://e-kameya.com/accessory/koma.html

三味線亀ちゃん
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三味線コラム-No.285 I introduce YouTube for Shamisen in English. 英語の三味線のYouTubeをご紹介いたします。

Good evening everyone. This is Shamisen Kame-chan.
It’s autumn and the nights are getting cooler in Tokyo.
It seems that many people are coming to our store to have their shamisen tuned for autumn concerts. We have many people coming to our shop for maintenance of their shamisen.

We would like to share with you an interesting YouTube video in English for those of you from overseas.
Our customer Colleen Schmuckal is a beginner in English who is interested in Japanese musical instruments. She has been studying Japanese music for many years.
She has been studying Japanese music for many years and continues to do so.
Tsugaru shamisen is often introduced on YouTube. but there are not many people who are teaching about the hosozao and chuzao shamisen in English for beginners.

We introduce the history of the shamisen and the characteristics of the shamisen, and explain in detail how to play it and how to tune it.
We explain in detail how to play the shamisen and how to tune the strings.
The book is mainly focused on nagauta.
This is the best book for those who want to know more about the shamisen other than Tsugaru Shamisen.

I sometimes sell the shamisen to people overseas, but it is difficult to find a beginner’s manual in English. I thought this YouTube might make it easier for beginners to understand.

When I meet people from overseas, I feel that Japanese culture is now attracting worldwide attention.
If you want to introduce the shamisen to people overseas, I think it would be a good idea to introduce this YouTube program.
Please subscribe to our channel.

Ms. Colleen Schmuckal’s YouTube Channel
https://www.youtube.com/watch?v=zIZpti5JY1U&t=35s

Shamisen Kamechan
https://e-kameya.com/english/

みなさんこんばんは。三味線亀ちゃんです。
秋になってきましたね東京も夜は大分涼しくなってきました。
みなさんも秋の演奏会があるようですので三味線の整備にご来店くださる方
が多くなってきました。

さて今回は海外の方向けに英語版の面白いYouTubeをお知らせします。
当店のお客さまColleen Schmuckalさんが和楽器について英語で初心者の方向けに
発信しております。
彼女は長年邦楽を研究しており今も研究活動をしております。
津軽三味線は結構YouTubeで紹介されていることが多いいのですが、
細棹や中棹の三味線について初心者の方向けに英語で発信している
方は少ないと思います。

三味線の歴史や三味線の特徴からご紹介しておりまして
弾き方や調弦の仕方など詳細に解説しています。
主に長唄を中心に解説しておりますが津軽三味線以外の三味線も知りたい!
という海外の方には最適ではないでしょうか。

私も海外の方に三味線を販売することがありますがなかなか英語の入門書は
ないので困っていましたが、このYouTubeを見て頂ければ初心者の方にも
わかりやすいかなと思いました。

海外の方と接しますと現在は日本文化は世界的に注目されているなと感じます。
みなさんも海外の方に三味線をご紹介したいときにはこちらYouTube番組を
ご紹介すると良いと思いますよ♪チャンネル登録もお願いします。(^^)/

Colleen SchmuckalさんのYouTube Channel
https://www.youtube.com/watch?v=zIZpti5JY1U&t=35s

三味線亀ちゃん
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三味線コラム-No.284 三味線屋さんの道具 とんぼ(亀屋)

みんさんこんばんは。三味線亀ちゃんです。
皆さん夏休みは如何だったでしょうか?
暑い夏ですが皆さんも楽しんだ事だと思います。
最近秋の演奏会のご案内を頂くようになりました。
いよいよ秋が近づいてきたなと思っている亀ちゃんです。

さて今日は亀ちゃんが使っている道具をご案内します。
以前にもご紹介したと思うのですが最近見始めた方もいらっしゃると思いますので
今回はこちらのご紹介します。

とんぼと言います。
上に横棒が付いていますのでトンボのように見えませんか〜〜(^^)/

このトンボは父の代からは確実に使っていますので70~80年は使っていると思います。

このトンボの使い方は棹の反りを見たり

三味線のハ(棹と胴とのバランス)をみたりします。

三味線屋さんにはとても便利な道具でこれ一本あれば棹のチェックは大概できます。
時々お客様の所に訪問する事があるのですがとんぼがあればその場で大体の見積もりが出来ちゃいます。
棹の狂いを見るのでトンボは古い方がいいです。
その方が木が枯れていてトンボが狂わないですから。
私はこのトンボの癖が分かっているのでこのトンボで見てこれぐらいなら直すべきか
大丈夫かがわかります。
長い間の相棒という感じでしょうか。(笑)

亀ちゃんが外を歩いているとトンボを持っているかもしれませんよ。

三味線亀ちゃん
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三味線コラム-No.283 昔の珍しい三味線を再生しました。(完成編)(亀屋)

皆さんこんばんは。三味線亀ちゃんです。
いよいよ本格的な夏がやって来ましたね。
しかし先週今週はゲリラ的に雨が降りとても湿気ていましたね。
皮がずれてしまった方が何人かいらっしゃいますので
皆さん湿気には気をつけてください。

さて前回の柳川三味線ですが修理いたしまして皮も張り
仕上がりました。

経木の胴かけの所がかっこいいですね!
糸はかなり細く一の糸10-1,二の糸10-2,三の糸8-3を使いました。
8-3などは初めて仕入れたかもしれません。
棹も細いのでこれぐらいの糸で十分だと思います。

糸巻きも一部ヒビが入ったりしていましたがなるべく付いていた物を使いたいので
そのまま糸巻きは使いました。
結構うまく止まるようになったと思います。
六折の三味線ですと一番上の勘所あたりで棹がとれるようになっています。
緑の上駒も効いてますね。(^^)

昔の三味線にはよくこの房つきの音緒がついていることがあります。
私の感覚では昭和30年代位の三味線ですと房つきの音緒を使っていますね。
昭和40年代の三味線になると房つきの三味線はほとんど見なくなります。
駒も今回は幅広の紅木の駒を使いました。

以上のように直しまして音出しをしました。
その時の音を動画で以下に載せますので是非聞いてみてください。
皆さん色々感想があると思います。

亀ちゃんが弾いた柳川三味線の音。

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いつも亀ちゃんブログを読んでいただいて大変ありがとうございます。
私も8月に夏休みを頂きますので次回のブログは8/19(金)の予定となります。

みなさんもお身体に気を付けて頂いて練習に励んでくださいね!

三味線亀ちゃん
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三味線コラム-No.282 昔の珍しい三味線を再生しました。(亀屋)

みなさんこんばんは。三味線亀ちゃんです。
前回は沖縄三味線をご紹介いたしましたが
今回は本土の三味線の珍しい三味線を再生いたしましたので
ご紹介いたします。

お客様からご依頼を頂きまして六つ折れの三味線の再生のご依頼を受けました。

棹は樫材で胴は花林だと思います。
この三味線を柳川三味線として使いたいと言うご依頼でした。

こちらの三味線が色々珍しく昔の三味線の特徴が色々残っているので
ご紹介いたします。
送られてきた時に桐の箱に入れて頂いて当店に届きました。

このように二段になっておりまして棹の収納もきれいに入るようになっております。

桐の上蓋ももちろんありあますが縦に蓋が入っていて上に持ち上げると上記のように
胴が入っています。

年代を見ますと

胴の中に明治7年戌土月山岸製と読めます。
戌月は新暦の概ね10月頃だそうです。
明治7年は1874年ですと148年前に作られた三味線という事ですね。
昔の三味線には胴の中や中木に納品した年とお店の名前が書いていることが
よくあります。
今より三味線を販売するのは珍しいことだったんですね。

昭和初期でも三味線が売れるとお赤飯を食べたと聞いたことがあります。

この胴の中ですが今の綾杉胴の前の形の細工が見てとれます。

胴の横を一本溝が彫られています。縦にも薄く彫ってあります。
これは今の綾杉彫の前の形であると思われます。
先人たちも色々工夫していたんですね。

棹や胴の表面には朱漆が塗られています。

昔は漆が身近でしたからこのような装飾がされているのですね。
朱漆が良く残っております。
今はとても手間がかかりすぎて出来ません。

上駒は竹ですね。義太夫の三味線は今でも竹の上駒を使います。
昔の三味線の形態ですね。緑色に塗っているのは珍しいですね。


糸巻きも細かな装飾が施されています。
昔の糸巻きは色々な形があるので楽しいですね。
直す時にうまく直さないと替えの糸巻きがありませんので緊張しました。(笑)


胴に胴掛けの代わりに経木が張り付けてあります。
これは私初めて見ましたが胴掛けが出来る前はこのように腕の載るところが滑らないように工夫していたのですね。とても興味深いです。

音緒もこのように房がついています。
今の三味線よりとても装飾が凝っていますね。
私に私見ですが現在はシンプルなデザインが好まれる傾向がありますが、
19世紀末から20世紀初頭は装飾を凝ることが好まれていたように思います。
時代によって流行りというのは変わりますね。

以上今回はここまでですが次回もこちらの再生した三味線をご紹介したと思います。

この三味線をブログに載せることを快諾して頂いたお客様には大変感謝しております。
改めてお礼申し上げます。

三味線亀ちゃん
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三味線コラム-No.281 沖縄三線と本土の三味線の比較 本体・音編。(亀屋)

こんばんは。三味線亀ちゃんです。
前回沖縄三線のお話をしましたが
今回もその続きをお話ししたいと思っております。

沖縄三線の長さですが以下のようです。

長唄の三味線と比べてみましたがかなり短いですね。
本土の三味線風にいいますと4寸5分短というところでしょうか。

持った感じ三線の方が細いと思います。
沖縄三線も色々ですのであくまでも当店で販売している
沖縄三線での話です。

形はとても似てますね。兄弟みたいですね。(^^)
本土に三味線の原型が中国→沖縄→日本(堺の港)
で渡来したというのが有力な説ですので
それも納得です。
三味線の渡来は織田信長の時代という説ですので、
織田信長、堺の港と聞くと私は大航海時代の息吹を感じます!

沖縄三線は立って弾くこともあるようですのでこの大きさなら
立って弾けますね。

もちろん違いもありまして沖縄三線にはサワリがありません。

さわりは本土で発達したようです。私は琵琶の影響かなと思っておりますが。

あと使う音(音階)が違います。
両方ともアジアで代表的な5音階なのですが

本土はよく四七(ヨナ)抜き音階といいまして
(ド・レ・ミ・ソ・ラ)を使います。

沖縄音階は同じ5音階ですが
(ド・ミ・ファ・ソ・シ)を使います。

ですので本土の三味線でも沖縄音階を使うと沖縄っぽい音になります。
お客様に教えて頂いたのですがこのような音階を『ペンタトニックスケール』
と言うそうです。

今でも沖縄三線は沖縄の方にはとても身近なようで一家に一丁はあり
人が集まると誰かが三線を引いて指笛、唄、踊りが始まるようですね。

本土の三味線音楽も昔は沖縄三線と同じ状況だったと私は思っています。
でも今では一家に一丁三味線ありませんよね〜〜

民族楽器なのにそこがとても残念だと思う亀ちゃんです。

三味線亀ちゃん
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